「どうよ! この溢れる知性的メガネをつけた、ブランニューあたし!」
 教室の片隅で大仰な声を上げながら、美由がどこかで購入したらしき眼鏡を装着しては軽くポーズをつける。
 本人はモデルのつもりでも、傍目にはギャグに見えてしまうその仕草。
「まぁ……似合うと思いますわ」
 大きくため息をつく幸、その隣ではすずりもあきれた目で見ていた。
「この両手とジャンプと回転を加えた知性の上昇っぷり、今までのテストでは常に敗北していた皆への復讐を果たす時がきたっ! 知性の神がインストールされた感じ?」
「だれか美由さんの人生にパッチ当てて下さるかしら」
「アタシは無理だと思うけどね」
「なので今まで、10点前後だった点数も一気に12倍の点数へと跳ね上がる。そんな感じで次回のテスト結果に皆はひれ伏すがいいわっ。あははっ、あはははははははははははっ!」
 高らかに叫ぶ美由。
 その笑い声はクラスの喧噪の中へと埋没していった。




「……100点越えてるじゃないですか、だから美由さんはお馬鹿さんなのですわ」