そのろく


リチャ
「さて……今回はいつもとは趣きを変えて、駅前の方に出没してみたウサギなのだが」

穂乃香
「あ、どうもこんにちは。リチャードさん」

リチャ
「は、はろー。……と、いう事で、今回は聞き手の人もいつもと違ってたりする」

穂乃香
「でも、私でいいんですか? 私はこういった事とか経験が無いので、どうしたらいいのかわからない所とかあるかもしれませんけど」

リチャ
「大丈夫! これでも解説役としてウサギは非常にプロフェッショナル、圧倒的高性能と火力でもって皆様に情報をお届けしてみる所存なので、安心すると吉!!」

穂乃香
「わかりました。それでは大船に乗った気持ちになってみます」

リチャ
「うぅっ、何かこういう時に素直な返事をもらえるっていいなぁ。すずりが相手だと、いつもこのタイミングで踏まれるのに」

穂乃香
「そうなんですか? ……え、えいっ!」

リチャ
「ぶぎゅっ。 な、なんでっ、どうしてこのウサギが踏まれないといけないッ!?」

穂乃香
「え? ご、ごめんなさいっ。すずりがこのタイミングで踏むって言った物ですから、タイミングを合わせて踏まなくちゃいけないのかと思っちゃいました」

リチャ
「な、なんという素直すぎる解釈……ッ。とりあえず、ウサギ的にお願いというか、踏むのは無しの方向でお願いします」

穂乃香
「すみませんでした。あの、痛みますか?」

リチャ
「い、いや、大丈夫。これでもウサギ的には日々鍛えてるから、一度や二度の踏みつけでは屈しない」

穂乃香
「それなら何よりです。次からは気をつけますので」

リチャ
「さてと、それでは改めて。今回はそれぞれの人間関係についてという事なのだが」

穂乃香
「人間関係……ですか?」

リチャ
「そんなに深くそれぞれの立ち位置とかではなくて、お手軽にという所なのだが。今回は特にわかりやすいように図面を持ってきた!」

穂乃香
「人物相関図ですね」



リチャ
「これを見て貰えば一目瞭然! このウサギを中心として、姫巫女という物語に出てくる人達のすべてに愛されるウサギとして!」

穂乃香
「えっと……ごめんなさいっ!(踏みっ)」

リチャ
「ぶぎゃるっ!? なっ、なにが起きてるんだっ、サプライズサプライズ? のぉっ、何か踏まれてるううううっ!!」

穂乃香
「すずりに言われてたんです。事実と明らかに大きく食い違っているお話が出た場合は、止めてくれって」

リチャ
「な、なんという所で予防線を……ッ。だ、だが、このクールなウサギに対して皆がこう思っているかもしれないじゃないか」

穂乃香
「確かにリチャードさんは可愛いとは思います。でも、すずりはリチャードさんの事を嫌いとは言わないですよ」

リチャ
「……え……」

穂乃香
「だからきっと、こうじゃないかと」



リチャ
「な、なんという事だ。こんなにもウサギは愛されてたのか……」

穂乃香
「長い間、一緒に過ごしてきた二人ですから。そこには深い信頼関係があるんだと思います。いいですよね、そういう信頼に結ばれた相手がいるというのは」

すずり
「ちょっとおっ!! すとっぷすとっぷすとぉーーーーーーーッぷ!!(踏み)」

リチャ
「ぶぎゃるっ!?」

すずり
「あーに恥ずかしい事言ってるのよ。何が信頼関係よ、ってか何よこの人物相関図とか名乗るいい加減な図面は!」

リチャ
「ぐ、えっ、はみで……ウサギの中身がはみでる……ぅ…………」

穂乃香
「でもみんな、リチャードさんは可愛いって思ってるんだと思いますよ」

すずり
「だあっ! 穂乃香の目は節穴かぁっ!! この図をどう見たら、姫巫女世界の説明になるとでも言うのよぉぉっ!!」

穂乃香
「でも、リチャードさんが皆に愛されてるというのが伝わるんじゃないかなーって」

リチャ
「そうそう、この全国的に愛されて……(踏みっ)……ぶぎゅるっ!!」

すずり
「ってか、人物紹介ぐらい真面目にやりなさいよね」

リチャ
「じ、実は……ちゃんとした図面も作ってあるのだが」



すずり
「……どうして最初からこれを出さないのよ、けだま」

リチャ
「これを読んでくれている方々が混乱するかと思って」

すずり
「あんなワケのわからん相関図出された方がっ、混乱するに決まってるでしょぉぉぉぉぉぉがあぁっ!」

リチャ
「ぐおおおおっ、踏むな踏むなっ、怒濤の勢いで踏むなぁぁぁぁ!!」

すずり
「とりあえずこのまま身体を通して巫力で岩を割るとか試してみましょうかねぇ?」

リチャ
「そ、そんなメメタァな事無理だからっ! う、ウサギ虐待反対!!」

穂乃香
「え……えっと……。そ、それでは何やら立て込んできてしまったので、今日はこれぐらいで……終わりです」

リチャ
「たっ、たすけ……たすけてぇぇぇぇ」