そのじゅうさん
リチャ
「白兎の管轄地(関東南部)にも先日雪が降った! という事で雪だるまを作ろうと思ったのだがあまり積もらなかったので、断念してしまった」
すずり
「ってかアンタそれ以前にずっとコタツに入って、寒い寒いって文句ばかり言って出てこなかったじゃないのよ」
リチャ
「雪が積もったら本気出す」
すずり
「そこまで露骨にわかりやすい嘘を並べ立てるアンタの根性には脱帽させられるわ」
リチャ
「しかしどんな生き物でも暑さ寒さというのには耐性と限界というのがあってな、どうしようもない壁があるのだよ」
すずり
「生物としての限界と、根性無しの言い訳を同じカテゴリーで語るアンタにはいつもながら驚かされるわ」
リチャ
「フッ……照れるぜ」
すずり
「黙れこの馬鹿ちん。とはいえ、まぁ……冬のこたつに入ったら抜け出したくなくなるって気持ちだけは理解出来るけどさ」
リチャ
「さすがすずり、このウサギの気持ちを理解ってくれるとは……ありがたい」
すずり
「でもとりあえず冷蔵庫から雪見だいふく取ってきなさいよ。さっきはアタシがポテチ持ってきたんだから」
リチャ
「なんというウサギ使いの荒い主人! しかしポテチの件もあるとすれば素直に動かざるをえないのもまた真実。しかしすずりや」
すずり
「あによ?」
リチャ
「ちょっとウサギ的に超能力で雪見だいふくが取れるか試してみたいんだが……ぬぬぬぬぬぬぬッ……ぬおふっ!」
すずり
「そんなんで動いたら苦労しないわよ、この馬鹿ちん」
リチャ
「い、今ちょっと動かなかったか?」
すずり
「気のせいだから。間違いなく気のせいだから、アンタに超能力があったら見せ物にして売り飛ばすけど」
リチャ
「しかしすずり。先日にこうマインドシーカーというソフトで超能力を開発し、八割がたのヒット率を誇るようになったのだが」
すずり
「いいから早く取ってこないと撃つわよ?」
リチャ
「しばしお待ちを、レディ…………お待たせした」
すずり
「まったく、最初から素直に取ってくればいいのよ……と、ありがと」
リチャ
「そんな訳でまた今週も届けられた疑問にちまちまと答えていこう」
すずり
「ふむふむ、いいんじゃない?」
リチャ
「今回のタイトルには『繊月』という文字が入っているのですが、これは何か作中でのネタに絡んでくるのでしょうか?」
すずり
「絡んでくるの?」
リチャ
「いいや。単純に繊月というのは新月の次の日の月、三日月よりも細い月を指すという言葉でも言われている」
すずり
「既朔って言ったり、二日月って言ったりするんじゃないの?」
リチャ
「一部でそういった呼ばれ方があったりするという事だな、繊月というのが。つまるところは『二作目』であるという事を暗に表現する為に使われた表現という事になる」
すずり
「月はあまり関係無いんかいっ!」
リチャ
「ちなみにウサギは月で餅つきをしたりしています」
すずり
「……どこまで本当の事を言ってるのか怪しくなってきたわね」
リチャ
「細かい事は気にしない方がいい。そんな訳で今回のタイトルについてはそこまで深い意味合いがあるという訳ではないのだ」
すずり
「でも別に『二作目』を表現するのなら、いくらでもそれにそぐうような言葉はあったりするんじゃないのかしら。どうしてわざわざ月を?」
リチャ
「そこはほら、恥ずかしながらこのウサギが主人公な訳なので。だとしたらウサギは月で餅つきを……と。自然と月になってしまったという……いたっ、いたたたたたたたたどうわあああぁぁぁ!」
すずり
「だーれが主人公よ、誰が。あまりテキトーすぎる言葉並べてると、超能力使えなくても売り飛ばすわよ?」
リチャ
「すみませんでした、正直ちょっとウサギ調子に乗ってました」
すずり
「わかればいいのよ、わかれば。んで、次の質問はっと……ぬなぁっ!?」
リチャ
「どうしたすずり、暗闇で首筋にこんにゃくでも当てられたような珍妙な叫び声を絞り出したりして」
すずり
「いや、なんてーかその、あまりに珍妙すぎる質問に……」
リチャ
「どれどれ。『姫巫女は同性による肉体的交渉でも巫力が減退するのか? というか、すずりと穂乃香とはいつラブラブになるんですか……』だそうだが」
すずり
「いくら何でも、女性同士でラブラブってのは無いわよねぇ。いくら何でも」
リチャ
「いつラブラブになるのですか? ウサギ的にも気になる所ですが」
すずり
「無いから」
リチャ
「あっさりきっぱりバッサリと切り捨てたッ!?」
すずり
「というか……以前に性的交渉といった類の出来事があると、その分だけ巫力は減少するっていう聞いたけど。それって同性異性って関係なさそうよね」
リチャ
「まぁあまり関係無いな」
すずり
「結局の所、肉体的交渉によって『縁』の結びつきが、精霊よりも肉体的交渉を行った相手との間に強くなる……ってアンタが以前言っていた事がそのまま同性間でも成立したりする訳ね」
リチャ
「しかし、同性愛というのも世間的に認知されるようになってきたらしいが」
すずり
「そうね」
リチャ
「姫巫女同士で同性愛を育んでいる例というのは今まで聞いた事が無いな、実は」
すずり
「情報ウサギとしてのアンテナが錆び付いてるんじゃないの?」
リチャ
「いや! そんな事は無い……ですだよ?」
すずり
「何でそこ慌てて語尾が怪しげな発音に変化したりしてんのよ」
リチャ
「一応は色々な所に情報のアンテナは張り巡らせているつもりなのだが、あまり万能と言い切れないからな。もしかしたらウサギの知らない所で、女性同士ラブラブな姫巫女が存在しているかもしれないとは思ってな」
すずり
「でもさ。巫力が減るってわかりきってるなら、女性同士でラブラブになったりっていう選択肢を選ぶ姫巫女はまずいない気もするんだけどね」
リチャ
「確かに……姫巫女になろうと考える時点で鬼と戦う意思と決意を持つ訳で。鬼と戦う事がわかっているのに、自分達の手で戦力を落とそうなんて考えたりはしないと」
すずり
「普通はそう考えると思うわ。ただでさえ鬼に負けたら殺されるかもしれないし、別の意味で酷い事をされるかもしれないんだしね」
リチャ
「もしかしたら、新手のハンデを鬼につける新しい姫巫女スタイルが!」
すずり
「そんなハンデを与えて喜ぶような姫巫女、絶対に負けると思うわ」
リチャ
「まぁ……そうだよなぁ」
すずり
「さてと、次は……あによこれ」
リチャ
「どうしたすずり。いきなり顔をしかめて……『実はすずりのような貧乳が好きなのですが、ボクっ娘も好きなのです。すずりの一人称をボクに変えるか、新しいボクっ娘の姫巫女は新作で出ないのでしょうか?』だそうだが」
すずり
「とりあえず表出なさい、撃つから」
リチャ
「いや! ちょっと待てすずり、別にウサギが貧乳って言った訳じゃなくて。質問の中にあった言葉をそのまま言っただけだ、誰もすずりの胸が貧乳だなんて言った訳じゃないぞっ!!」
すずり
「じゃ、アタシのバストは何て言うつもりよ?」
リチャ
「……ナイチチ?」
すずり
「KO☆RO☆SU」
リチャ
「ぎにゃっ、のっ、のぉっ、は、はらららららららっ、はらあっ、ウサギの腹を掴むなんて事はしちゃいけないっ、そんなのとってもギルティ! やめっ、ど、どこへ連れて行こうって言うんだ、ウサギはこたつの温もりが……」
すずり
「地獄の釜はもっと暖かいから安心しなさいな」
リチャ
「そ、それにとりあえずさっきの質問に答えるとかほら……まだウサギには色々とやらなければならない事が」
すずり
「いくら何でもそんなピンポイントな要望されても困るわよッ! そもそも自分の事をボクってのは言いにくくて仕方ないわ。だからアタシには無理。……って事で、アンタにはきっついおしおきをしてあげないとね」
リチャ
「な、ナイチチは無しでいいですから、ひっ、ひっ、ひひひ、貧乳で! やっぱり貧乳でファイナルアンサー!!」
すずり
「どっちにしても、プチKO☆RO☆SU」
リチャ
「なっ、の、のおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ! どうして、どうしてウサギなにも悪い事なんてしてない、する予定も無いのにぃぃ! ぎぃーーーーーーにゃぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」