そのじゅうろく
リチャ
「さてと。それでは今週は姫巫女の中でも学生と兼任して二足のわらじで頑張っている、そんな土岐穂乃香嬢をお迎えしてみました!」
穂乃香
「どうもこんにちは。リチャードさんの方に寄せられた質問にお答えするべく、本日は頑張らせてもらいますね」
リチャ
「さてと、早速ではあるのだが。穂乃香嬢は白兎隊に所属しているという事ではあるが、どこか他の隊に所属しろと言われたらどうする?」
穂乃香
「正直な所、今の時点でそんな事を言われても困ります。まだ色々と勉強中ですし、真魚さんや小鳥さんには色々と良くしてもらってると思いますから」
リチャ
「確かにそういった人のつながりは大事だな。とはいえ、穂乃香嬢の場合は他の隊へ移動して欲しいと言われる可能性は低そうな気もするが」
穂乃香
「そうなんですか?」
リチャ
「姫巫女は基本的に地域ごとに担当地区が別れているが。ただその中でも、前衛で戦う人が多い部隊と後衛向きの戦闘能力が多い部隊があるからな。特に白兎隊は前衛の割合が高い事から、穂乃香嬢の適正と合致している」
穂乃香
「それでも、後衛向きの部隊でも前衛がいない訳では無いですよね」
リチャ
「まぁ、それは無論そうなんだがな。あとはアレだ、今後の物語では白兎隊のみではなくて別の部隊も出てくるのは間違いないだろう」
穂乃香
「そうなんですか……ちょっと驚きです。今まで一度も会った事も無いので、他の隊の方々とは」
リチャ
「では次の質問という事で。穂乃香嬢から見たすずりの魅力とかは、どのような所にあるでしょうか?」
穂乃香
「あまり他人の魅力をどうって他人に説明するのは苦手なんだけどな。すずりの良い所は何よりも、すずりと話してみると一番なんじゃないかな」
リチャ
「ウサギ的には非常に凶暴で乱暴で、すぐ踏むあたりとかが出ますが」
穂乃香
「そうかな。すずりはどちらかというと、乱暴で他人に冷たく振る舞ったりするのは理由があるように見えるんだ」
リチャ
「ほほぅ?」
穂乃香
「でもすずりは優しい所がいっぱいあると思うよ。リチャードさんの毛とかを見てると、丁寧に毛並みがブラッシングされてるもん。そういう所に、すずりの細かい性格が現れてるんじゃないかな」
リチャ
「確かにウサギ自身ではどうしても手の届かない所もあるしな。そういった所はすずりは手伝ってくれてありがたい」
穂乃香
「あとね、美由がよく宿題を忘れたり課題を出される事が多いんだけど。いつも何もロクに言わないけれど、すずりも手伝ってくれるんだ」
リチャ
「ほほぅ」
穂乃香
「普段はすぐに色々と冷たい事とか言ったりして、他人に誤解されやすい所とかたくさんあると思うけど。すずりってすごい頑張り屋だと思うんだよね」
リチャ
「ふむ、人前で目立つのとか嫌う所も多いしな」
穂乃香
「奥ゆかしい所とか、不器用な所とかいっぱいいっぱいあって。あまり他の人と距離と取るから、そういうのって見えない部分かもしれないけど」
リチャ
「というか、すずりは基本的に他人の前で努力するの嫌いで隠れてこっそりと訓練とかするの好きだけどな」
穂乃香
「だから最初はすごく誤解されやすいし、ついつい他人につっけんどんな態度を取る事も多いけれど。すずりはすごく信頼できる人だと思うんだ」
リチャ
「すぐにウサギをいじめるのが大問題ですが」
穂乃香
「私から見ると、リチャードさんはすずりに愛されてると思うけどな。だってすずりがそうやってリチャードを踏んだりするけど。他の人にすずりがああやって感情を強く出す事って少ないから……」
リチャ
「愛って痛いな。さてさて、では次の質問に……っと。穂乃香嬢は色々な鬼と戦ったと思うのですが、苦手な鬼はいますか?」
穂乃香
「正直な事を言うと、全部苦手かなぁ。どれも苦手すぎて同じに見える所もあるけど、逆にコレが特別に苦手かなって思うのも無いような気がする」
リチャ
「蟲とか生理的に苦手というのは?」
穂乃香
「うん、そのあたりも当然苦手なんだけど。でも鬼って基本的に、女の人達にえっちな事ばかりしてくるじゃない」
リチャ
「まぁ確かに……連中はそういった生殖する事が特に強い欲望だしなぁ……」
穂乃香
「だからどんな鬼も私は嫌いだな。あの人達って言い方も変だと思うけど、でもやっぱりあの人達の好きにはさせたくないと思うんだ」
リチャ
「連中、基本的には自分達の事しか考えないしな」
穂乃香
「もし本当なら、鬼の人達と話し合いとかで解決出来るような問題だったら。それが出来たらいいのかなって思ったりする事もあるけど」
リチャ
「悲しいかな、そういう風に話し合いで解決できる訳もなく……という事だな」
穂乃香
「戦うって意味で苦手だと思うのは、斬る事が難しい鬼かな。すごく固い鬼とか、とてもやわらかくて斬りにくい鬼とか戦うのはどうしようかなって悩んじゃう」
リチャ
「コンニャクとかの鬼がいたらピンチだな」
穂乃香
「そうだと思います。でも、私が相性悪いような相手でも、すずりが手伝ってくれるから何とかなる事も多いかな……って」
リチャ
「本当に穂乃香嬢はすずりの事を信頼してくれてるんだな」
穂乃香
「うんっ」
リチャ
「そこまで正直に答えられると、清々しすぎてウサギの方が少し照れるな。そういえば穂乃香嬢の得意科目とか苦手科目は?」
穂乃香
「得意なのは生物で、苦手な科目は……多分、家庭科かな」
リチャ
「でもどの科目でも成績は優秀だとすずりが言っていたが」
穂乃香
「うん。あまり勉強が出来ないと、お父さんもお母さんも心配するし。それに前までは医者になりたいって思ってたから……」
リチャ
「なんと?」
穂乃香
「私ね、小さい頃に病気で死にかけたらしくて。それも理由は風邪をこじらせてって事らしいんだけど……その時の事は中途半端にしか覚えてないんだけどね」
リチャ
「ふむふむ」
穂乃香
「よくわからないけど、何日間も寝込んでいる時があって。その時にお医者様が色々としてくれたから、苦しくなくなって……私も今こうして生きていて。だから、たくさんの人を救う仕事が出来ればいいなって考えたら、医者になろうって思ったんだ」
リチャ
「何と立派というか。でも穂乃香嬢にもそういった経験があったとは」
穂乃香
「本当にちっちゃすぎる頃の事だったから、病気は。特にそれ以降も大きな病気になったりした事もなくて健康だけど」
リチャ
「そして、姫巫女として他人を救う力があるから……姫巫女には姫巫女しか出来ない事があるからという訳だな」
穂乃香
「うん」
リチャ
「あと、他の白兎隊隊員への印象とかを簡潔に」
穂乃香
「真魚さんは綺麗で強くて格好良くて、憧れる人かな」
リチャ
「ずいぶんと褒めちぎるな」
穂乃香
「出来れば私も真魚さんみたいに格好良い人になりたいんだけど……先日にそれをすずりに話したら『アンタは絶対無理だから』って言われたんだよね」
リチャ
「ずいぶんとバッサリ切ったな」
穂乃香
「どうしてだろ。私もあと数年すれば、もっとバリバリの素敵姫巫女になれると思うだけどなぁ」
リチャ
「ウサギの見立てでも、それはちょっと難しいと思ってる」
穂乃香
「えぇっ! そ、そんな……っ。もっと真魚さんみたい、鼻メガネつけたり、学校の水着を着ながら街中歩いたりしないといけないのかな……」
リチャ
「多分それは必死になってすずりが止めると思うが」
穂乃香
「真魚さんへの道は遠く険しいですね……」
リチャ
「と、とりあえず。小鳥はどう思ってたりするんだ?」
穂乃香
「小鳥さんは綺麗でしなやかで、モデルみたいなんだけど親しみやすい感じがする人だと思うなぁ。イザという時に頼りになる印象が強くて」
リチャ
「でもアル中だぞ?」
穂乃香
「お酒が飲める女性って、大人の人って感じがして羨ましいと思うんですよ」
リチャ
「世の中、物は言い様だというのを心から思い知った気がする。ウサギ的に。さてさて、とりあえず今回はこんな感じだろうか」
穂乃香
「はいっ、どうもお疲れ様でした」
リチャ
「それでは次回は小鳥という事で、そっちの隊長によろしく伝えておいてくれ」
穂乃香
「了解です。あとすずりの方から一つだけ頼まれていた事があるんですけど」
リチャ
「は?」
穂乃香
「とりあえず一度踏んでおけって言われました。でも、踏んだ事にしておきますので口裏合わせておいて下さいね」
リチャ
「なんかウサギ恨まれてるっ! どうして? どうしてよ!?」
穂乃香
「あはは……多分、すずりのとっておきのケーキを食べちゃったからじゃないかな」
リチャ
「賞味期限がギリギリだったので」
穂乃香
「ちゃんと謝らなくちゃ駄目だよ?」
リチャ
「……了解した。ではっ、小鳥宛ての質問などがあったらそれはそれで待っているのでよろしくしてみる!!」