一時期、真面目に考えられた『ソイレントグリーン計画』これはかつてアメリカで作られた映画のネタから計画名が引用された。
人間の肉を加工、精製し、食用とする試み。
しかし、この計画はコスト面から簡単に頓挫する事になる。
そもそも人間は他の生物と違い多産ではなく、さらに肉が食用として美味ではないという点も挙げられている。
……計画立案者、及び関係者が人肉を食したかどうかは、定かではない。
現状、大豆を主体とした加工肉が一般には流通しており、多くの人々に食されている。
コスト面と、化学調味料による加工技術が発達した事によって、風味や味覚面を問題にする人は少ない。
食料プラントという名称の工場によって、大豆は大量に精製されている。
それをベースにした食料が基本的には配給、流通しているのが現在の食糧事情だ。
それらとは別に、現状で非汚染生物が確認されている区域も存在している。
鳥籠の近くで確認されているのは『相模湾』のあたりや『箱根湯本』のあたり。
土地による共通項は確認されていない為、これらの非汚染生物現存区域では、猟や漁によって『本物』と言われている食料を供給している。
量の問題もあって高級品ではある。
鳥籠からは定期的に自警団による部隊が派遣され、塔の人間にそれらの高級品を定期的に届けたりしている。
それとは別に、スラムに住んでいる幾人かの有志によるキャラバン部隊が、そういった食料を非正規ルートで運び込んでいたりする。
スラムに存在している『ペンギン飯店』では、そういった本物の食材を使った料理を安価で食べさせてくれる訳なのだが。
悲しいかな、それが高級品である事を知らずに食べている人も多い。
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